「架空庭園」は、僕の工房の名前です。
“架空”の“庭園”なので、
建物はありません。
地図にも載っていません。
ではどこにあるかというと、
僕のイマジネイションの中にあります。
陽が差し、風が通り抜けて、雨が降る。
心地よい場所です。
作家として活動を始めようと決めたとき、
僕にはアトリエと呼べるものがありませんでした。
でも、アトリエがないことを作れない理由にしてはいけない。
どこであっても、
自分がいるところで、
作りさえすれば、
そこがアトリエになる。
そう心に決めて、浮かんだのが、この名前です。
窓も扉もありませんから、誰だって入ってこれます。
遠く離れていても、人が何かを作っているとき、
その人もまた「架空庭園」に来ている。
一緒の仲間がいる。
そんな感覚なのです。